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菌根菌の純粋培養

​菌根資材の開発へ

 アーバスキュラー菌根菌 (AM菌) は陸上植物の約70%以上と共生関係を築いている土壌糸状菌です。
AM菌は植物の根細胞内に菌糸 (内生菌糸) を侵入させ、樹枝状体という養分交換を行う組織を形成します。加えて、土壌中にも菌糸 (外生菌糸) を伸長させることにより、植物の根が届かない範囲から水分やリン、 窒素といった土壌養分を吸収します。これと引き換えに、AM菌は植物から糖や脂質を受け取ることで共生関係を築いています。

​ AM菌は土壌中の養分を植物に供給するという特徴から農業における唯一の生物資材として登録されています。しかし、植物との共生でしか増殖できず、単独での培養が困難な「絶対共生菌」であるため、多くの生産コストがかかります。

 近年、AM菌の培養培地に脂肪酸を加えると純粋培養が可能であることが分かりました。しかし、この技術には次世代胞子の直径が親胞子の半分であることや、培地に糖を添加してもバイオマスが増加しないといった課題があります。そのため、当研究室ではより安価な菌根資材開発に向けた純粋培養技術の確立を目指して日々研究を行っています。

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​信州大学 農学部 土壌生物学研究室

©2025 土壌生物学研究室.Wix.com で作成されました.

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